寄稿SeasonⅠ⑤
寄稿Season Ⅰ ⑤遺書その2
Aikoさん(千葉県の訪問介護士、70歳)
聞き手・Masaくん(気弱なジャーナリスト)
Aiko 子供との断絶後に亡くなった息子に自死の予兆はありませんでした。夕食後、私たち両親と普段通り会話して自室に戻っていきました。発見して救急車を呼んだのは私です。几帳面で真面目すぎる性格でした。
遺書の続きです。
お父さん、お母さんへ「最後に話ができてよかった。息子に『パパ怖い』と言われた時に覚悟を決めました。卑怯だと思いますが、息子を守る最善の方法だと思えます。これ以上傷つけたくない一心です。いろいろ表面的には元気にしていました。でも、もう誰も傷つけたくない。
お金は自由に使って下さい。妻が結婚記念日すら忘れていた事が残念です。連絡して安心させて下さい。愛された子より」
妻へ「あなたとは最後に少しだけ心が通じた気がします。私はただひたすらあなたが心を開くのを待っていました。今はただあなたと闘った12年間をこれ以上否定されたくない思いでいっぱいです。息子をよろしくお願いします。優しく感受性豊かな、そしてあなたが思う立派な人間に育てて下さい。私の分まで愛情をそそいでやって下さい」
息子へ「パパはひたすらママを愛そうとしました。あなたも精一杯ママを愛してください。パパは誠実さとは誠実であり続けることだと思います。頑張れよ。あなたとはキャッチボールしたかった。もっとお風呂や動物園で遊びたかった。三輪車、シールはり、ウルトラマン、仮面ライダーの話、もっともっと遊びたかった」
あなたはパパにとって一番の宝でした。生きがいでした。
ママはわがままをいうかもしれないけど、心優しい子でいて下さい。
パパはママを受け入れようと精一杯頑張ってきました。あなたも誠実に生きて下さい。
『心に太陽をもて』 ‘07.7.3.パパより」
更新 2021-11-01 (月) 08:34:10
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