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月刊『Hanada』実子誘拐告発キャンペーン記事
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「共同親権」導入へ 法務省が初の連絡会議 周知や広報を検討へ
出典:令和6年7月8日 NHK
「共同親権」導入へ 法務省が初の連絡会議 周知や広報を検討へ
離婚後も父と母双方が子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした改正民法などの成立を受けて、法務省は、関係府省庁の連絡会議を初めて開き、制度を円滑に運用するため周知や広報のあり方を検討することなどを確認しました。
改正民法などでは、離婚後に父と母のどちらか一方が子どもの親権を持つ今の「単独親権」に加え、父と母双方に親権を認める「共同親権」を導入するなどとしています。
この制度が2年後に始まることから、法務省は、こども家庭庁や文部科学省、厚生労働省など関係府省庁の連絡会議を設け、8日、初会合を開きました。
この中で、議長を務める小泉法務大臣は「親権に関する民法の規定は、父母だけでなく子どもに関わるすべての人に正しく理解してもらう必要があり、政府一丸となって取り組むことが重要だ。子どもの利益を確保するため、ぜひ協力してほしい」と述べました。 会議では、制度を円滑に運用するため周知や広報のあり方を検討することや、課題を洗い出して各府省庁の取り組みを整理することなどを確認しました。
共同親権巡り指針策定へ 政府連絡会議、来月初会合
出典:令和6年6月25日 時事通信
離婚後も父母双方が子の親権を持つ「共同親権」導入が5月の民法などの改正で決まったことを受け、政府は25日、関係府省庁による連絡会議を設置すると発表した。
改正法は2026年までの施行が予定されており、7月前半にも初会合を開き、制度の円滑な運用に向けてガイドライン(指針)策定などを進める。
連絡会議は小泉龍司法相をトップに、内閣府、文部科学省、厚生労働省、こども家庭庁などの局長級で構成する。法相は25日の記者会見で「できるだけ早く課題を設定して答えを出し、これを周知・広報する」と語った。
「元配偶者に子供を取られた」……日本で離婚後の共同親権導入へ
出典:令和6年5月18日 BBC
「元配偶者に子供を取られた」……日本で離婚後の共同親権導入へ
シャイマ・ハリル東京特派員
日本の国会は17日、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を可能とする改正案を可決した。親権に関する法律が改正されるのは数十年来のことで、2026年から施行される予定だ。
日本では伝統的に、 親権は片方の親に与えられ、もう片方の親から子供への接触を完全に断つことができる。
日本はこれまで、主要7カ国(G7)の中で唯一、共同親権という法的枠組みがない国だった。
日本では離婚の大半が「協議離婚」で、書類に署名し、双方の同意の下で離婚することがほとんどだ。
弁護士によると、協議離婚の場合、夫と妻は親権と面会交流の取り決めを自由に決めることができる。しかし、両者が裁判になると、裁判官は片方の親に親権を与える。
そのため、この制度では子どもと疎遠になってしまうケースがあると、離婚した親たちから批判が出ていた。
※以下、本文参照。
「現場任せな法律ではないか」 共同親権導入へ、離婚経験者は歓迎と批判
出典:令和6年5月18日 中日新聞
※紙面参照
離婚後の共同親権、改正民法成立 77年ぶり見直し、DV被害懸念
出典:令和6年5月17日 中日新聞
離婚後の共同親権、改正民法成立 77年ぶり見直し、DV被害懸念
離婚後の共同親権を導入する改正民法が17日、参院本会議で可決、成立した。離婚の増加などで家族関係が多様化する中、子どもの利益を確保するのが狙い。1947年から続く離婚後単独親権が初めて見直されることになり、子の養育環境が大きく変容しそうだ。父母の意見が対立した際の調整役を担う家裁の態勢整備などが課題だ。
現行制度は、離婚後は父母どちらか一方を親権者にすると規定。改正法では共同親権も選べるようにした。父母の協議で決めるが、折り合わなければ家裁が判断する。ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の恐れがあれば単独親権とする。既に離婚した父母も共同親権への変更申し立てが可能。
※以下、紙面参照。
離婚後の「共同親権」選択可能に 改正民法が成立
出典:令和6年5月17日 日本経済新聞
離婚後に父と母の双方が子どもの親権を持つ「共同親権」導入を柱とする改正民法が17日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。現在の民法は離婚すると父母の一方しか親権者になれない。改正法で父母が協議して双方が親権者となるか、一方のみとするか決められるようになる。
改正法は2026年までに施行する。施行前に離婚した夫婦も共同親権を選べるようにする。親権を巡り父母の意見がまとまらない場合は、家庭裁判所に申し立てて判断を仰ぐ。
「子の利益」を害すると家裁が判断した場合は単独親権とする。①子へ虐待などの恐れがある②父母間の暴力などの恐れを背景に共同親権の行使が難しい――と認められる場合を想定する。
共同親権を選ぶと子どもの人生の重要な選択に関し、父母が離婚後も協議して決めることになる。受験や転校、手術、パスポートの取得などにおいて双方の合意が必要になる。意見が対立した場合はその都度、家庭裁判所が親権を行使できる人を判断する。
緊急手術やドメスティックバイオレンス(DV)からの避難といった「急迫の事情」や日々の食事など「日常の行為」は一方の親が判断できる。与野党は法案の修正協議の結果、具体的になにが該当するか周知するガイドラインを政府に求める付帯決議を採択した。
改正法は離婚しても父母は協力し、子どもの人格を尊重して自身と同程度の生活を維持できるように扶養しなければならないと定める。
養育費を確保しやすくする内容も盛り込んだ。
取り決めなしに離婚しても一定額を請求できる「法定養育費」制度を創設する。養育費に他の債権よりも優先的に請求できる「先取特権」を付与し、一般的に認められる額を確保できるようにする。具体的な金額は今後決める。
離婚後の共同親権が可能に 改正民法が成立 77年ぶりに見直し
出典:令和6年5月17日 毎日新聞
離婚後の共同親権が可能に 改正民法が成立 77年ぶりに見直し
婚姻中の父母に認められている共同親権を離婚後も可能とする改正民法が17日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。離婚後の共同親権の導入は1898年の明治民法の施行以降初めて。1947年の民法改正で定められた「婚姻中は共同、離婚後は単独」の親権のあり方が77年ぶりに見直される。公布から2年以内に施行される。
改正法は、父母が離婚する際に単独親権か共同親権かを協議し、意見が折り合わなければ家裁が「子の利益」の観点から親権者を判断する。既に離婚している父母も親権変更の申し立てができる。
一方の親による家庭内暴力(DV)や虐待の恐れがあり、父母が共同して親権を行うことが困難と認められれば、家裁は必ず父母どちらかの単独親権とする。父母の合意がない場合でも、家裁が子の利益にかなうと判断した場合は、共同親権とされることもある。
改正法は、子に対する父母の責務を明確化し、父母は子の人格を尊重して子を養育しなければならないとした。また、婚姻の有無にかかわらず、父母は子の利益のため、互いに人格を尊重し、協力する義務があることを明記した。
これまで解釈に委ねられていた親権行使のルールも定めた。婚姻中も離婚後も共同親権下では、子に関する決定を父母が共同で判断するとしつつ、子に関する「日常の行為」や、父母の協議や家裁の判断を待つと子が不利益を受ける「急迫の事情がある」場合には、父母一方が単独で親権を行使できると整理した。
改正法は離婚時、離婚後のルールも全般を見直した。離婚後の養育費の着実な支払いにつなげるため、改正法は、養育費の請求に特権を与えて、支払い義務がある親に、他の債権者に優先して養育費を支払わせる仕組みを整備した。養育費に関する父母間の合意や協議がなくても、子を養育する親が、子の最低限度の生活に必要な一定額を請求できる「法定養育費」制度も新設した。
離婚や別居で別居親と子の交流が滞ると、親子関係に摩擦が生まれることもあるとの指摘を踏まえ、調停や審判の手続き中に、家裁が試行的な親子交流の実施を促すことができる規定も設けた。
父母双方が協力して得た財産を離婚時に分ける財産分与についても、請求できる期間を2年から5年に延長した。【三上健太郎】
「共同親権」認める改正民法が成立 77年ぶり規定変更 2年以内に施行
出典:令和6年5月17日 産経新聞
「共同親権」認める改正民法が成立 77年ぶり規定変更 2年以内に施行
離婚後も父母双方に「共同親権」を認める改正民法などが17日、参院本会議で自民・公明両党や日本維新の会などの賛成多数により可決、成立した。令和8年までに施行する。離婚後の親権に関する改正は原則、父親の単独親権としていた規定を父母のいずれかに改めた昭和22年以来、77年ぶり。離婚後の家族の在り方の転換点となる。
厚生労働省によると、未成年の子がいる両親の離婚は年間約10万件。子と別居する親から同居親への養育費の支払い率や、子と別居親の面会などの交流実施率も低調で、離婚後も父母双方が子育てに関わる制度への転換が求められていた。
改正民法では、婚姻状態に関わらず、子の養育を両親の「責務」とし、親権は子の利益のために行使すると明記した。
父母の合意で共同親権を認め、合意がなければ裁判所が判断。ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の恐れがあれば単独親権とする。施行前に離婚した父母も共同親権を申し立てられる。
同居親には、他の債権者に優先して養育費の支払いを得られる「先取特権」を付与。合意がなくても最低限支払うべき金額を「法定養育費」として設定する。
子と別居親との面会などの交流は、申し立てを受けた裁判所の判断で、早い段階で試行するよう促せる仕組みも創設。これまで認められていなかった交流申し立ての権利を祖父母らにも認める。
審議で親権に関して父母の不適切な合意が生じる懸念が示されたことを受け、真意を確認する措置の検討を求める付則を設け、政府や最高裁に配慮を求める付帯決議を衆参法務委が採択した。
離婚後の「共同親権」導入 改正民法などが成立
出典:令和6年5月17日 NHK
離婚後も、父と母双方が子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした改正民法などが、参議院本会議で賛成多数で可決・成立しました。
改正民法などは、離婚後に父と母のどちらか一方が子どもの親権を持つ、今の「単独親権」に加え、父と母、双方に親権を認める「共同親権」を導入するとしています。
父母の協議によって共同親権か単独親権かを決め、合意できない場合は家庭裁判所が判断し、DV=ドメスティック・バイオレンスや、子どもへの虐待があると認めた場合は単独親権となります。
改正法の付則には、共同親権を選ぶ際に父母双方の真意によるものか、確認する措置を検討することなどが盛り込まれています。
改正法は17日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党や立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、教育無償化を実現する会などの賛成多数で可決・成立しました。
共産党や、れいわ新選組などは反対しました。
これに先立ち討論が行われ、採決で反対した共産党の山添拓氏は「最大の問題は、離婚する父母の合意がなくても裁判所が共同親権を定めうる点だ。審議では、与党も含め多くの議員から弊害を懸念する発言が相次いだ。国民的な合意なく押し切ることは断じて許されない」と述べました。
また、採決で賛成した立憲民主党の牧山ひろえ氏は「法案の内容や審議の進め方には大きな問題がある。子どもたちの笑顔を守るため、柔軟性を保ちつつ改善の意欲を持って関わり続けることが責務だ」と述べました。
改正法は、2年後の2026年までに施行されます。
離婚後の親権のあり方が見直されるのは、1947年に、原則、父親のみから、父母のどちらか一方が親権を持つと改正されて以来、77年ぶりです。
国は制度の運用に向けて、関係する府省庁の連絡会議を設け、具体的な体制整備などを検討していくことにしています。
林官房長官「子の利益確保につながるもの」
林官房長官は午後の記者会見で「父母が離婚後も適切な形で子の養育に関わり、責任を果たすことは重要で、改正法は離婚に直面する子の利益の確保につながるものだ。父母の双方を親権者とすると子の利益を害すると認められる時は、裁判所が必ず単独親権と定めなければならないとするなど、DVなどにも配慮したものとなっており、今後、国民に不安が広がることなく内容が正しく理解されるよう丁寧に周知していく」と述べました。
賛成派「家庭裁判所の体制の整備なども進める必要」
導入に賛成の立場を取る「親子の面会交流を実現する全国ネットワーク」代表の武田典久さんは、「長い間待ちわびた改正案の成立が与野党の賛成多数でなされたことは前進だ。夫婦の関係がうまくいかなかったとしても親子が別れることがなくなる」と話しました。
今後については、共同親権でも片方の親だけで決めることができるケースなどがまだ具体的に定まっていないとして「法律施行までの2年が大切な期間になる。子どもの利益を守るという立法の趣旨を実現するために具体的に検討を進め、家庭裁判所の体制の整備なども進める必要がある」と話していました。
反対派「子どもの利益にならないと非常に懸念」
導入に反対の立場を取る「『離婚後共同親権』から子どもを守る実行委員会」の代表世話人で和光大学の熊上崇教授は、「離婚後に共同親権になると、子どもは常に双方の親の合意を得られるか心配し、縛られることになる。子どもの利益にならないと非常に懸念している」と述べました。
今後について「裁判所の運用が重要になる。子どもの希望をかなえることを優先し、親権でもめているケースで共同親権を促してはならない。無理やり共同親権にすると子どもが大人になるまで親の間で紛争が続く。話し合いが難しい場合はきぜんと単独親権にしなければならない」と訴えました。
離婚後の「共同親権」導入へ 改正民法が成立 2年以内に施行
出典:令和6年5月17日 朝日新聞
離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を可能とする民法などの改正案が17日、参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。公布から2年以内に施行される。
共同親権導入は、婚姻制度を定めた1898年の明治民法の施行以降初めて。婚姻中は親権者を父母双方とし、離婚後はどちらか一方とする現行の「単独親権」制度は1947年の民法改正で定められた。離婚後の親権のあり方の見直しは77年ぶりとなる。付則では、施行5年をめどに制度や支援策を再検討するとされた。
改正法には、婚姻関係の有無に関わらず「子の利益」のために父母が協力する責務が明記された。離婚後も家庭内暴力(DV)の被害が継続しかねないとの声は根強く、父母間の調整の難しさ、家庭裁判所の負担増など様々な懸念がなお残る。
現在は離婚後の親権者の9割近くを母親が占める。改正で、協議離婚をする父母は、共同親権か単独親権かを話し合いで決めることになる。法施行前に離婚が成立していても、家裁に申し立てて認められれば、単独親権から共同親権に変更できる。協議がまとまらない場合や裁判離婚では家裁がいずれかを判断する。家裁は、父母と子、父母間、それぞれの関係を考慮し「子の利益を害する」と認められる場合は単独親権とする。
「共同親権」定めた改正民法が成立…参議院本会議で可決
出典:令和6年5月17日 読売新聞
離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」の導入を柱とする改正民法などが、17日午後の参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。
改正法では、離婚後の親権者を父母の一方に限る「単独親権」のみを定めた現行の規定を見直し、父母が協議で合意すれば共同親権を選択できるようにする。
父母の協議が調わない場合は、家庭裁判所が親権者を判断する。一方の親から子への虐待や、父母間のDV(家庭内暴力)の恐れがある場合は、単独親権としなければならないと定めた。
共同親権の場合でも、緊急の手術など「急迫の事情」があれば単独で親権を行使できるとした。
改正法は公布から2年以内に施行される。すでに離婚して単独親権となっている場合でも、施行後に家裁に申し立てて認められれば共同親権に変更できる。
離婚後の共同親権導入、参院法務委で可決 民法改正案成立へ
出典:令和6年5月16日 毎日新聞
婚姻中の父母に認められている共同親権を離婚後も可能とする民法改正案が16日、参院法務委員会で採決され、賛成多数で可決された。離婚した父母の一方が親権を持つ単独親権のみを規定した現行民法が見直される。
離婚後の共同親権が導入されれば1898年の明治民法施行以降、初めてで、家族法制の大改正となる。近く参院本会議で可決、成立する。
改正案は、父母が離婚時に協議して共同親権か単独親権かを選び、折り合わなければ、家裁が「子の利益」の観点から親権者を判断するとしている。
一方の親による家庭内暴力(DV)や虐待の恐れがあると認められれば、必ず父母のいずれかの単独親権となる。
離婚後の共同親権導入を巡っては、離婚前のDVや虐待が継続しかねないとの懸念が示されていた。
衆院、参院の両法務委では、共同親権下でも単独で親権が行使できる場合の線引きや、家裁がDVや虐待を見極め、適切に親権者を判断できるかどうかが主に議論された。【三上健太郎】
離婚後の「共同親権」民法など改正案 参議院法務委で可決
出典:令和6年5月16日 NHK
離婚後も父と母双方が子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案は、参議院法務委員会で採決が行われ、自民党や立憲民主党などの賛成多数で可決されました。
改正案は、17日の参議院本会議で可決・成立する見通しです。
離婚後の「共同親権」法案 成立へ 参院委で賛成多数で可決
出典:令和6年5月16日 朝日新聞
離婚後も父母双方が親権者となる「共同親権」の導入を柱とする民法などの改正案が16日、参院法務委員会で賛成多数で可決された。17日に参院本会議で可決、成立する見通し。施行は公布から2年以内。
改正案では、協議離婚をする父母は、共同親権とするか単独親権とするかを話し合いで決める。一方が単独親権を主張するなど協議がまとまらない場合や裁判離婚では、家庭裁判所が判断する。一方の親に家庭内暴力(DV)の恐れがある場合や、父母が協力しあうことが難しい場合は、家裁は単独親権としなければならないと定めている。
共同親権となった場合、進学や転居など、子どもに関わる重要なことがらは原則として父母が話し合って決める。父母間の方針が折り合わない事項については、一方の親からの請求に基づいて家裁が判断する。
共同親権のもとでも、日々の食事などの「日常の行為」は父母の一方だけで決めることができる。また、重要な事項であっても、期間が限られている入学の手続きのように、協議をしたり、家裁に判断を求めたりする時間がない「急迫の事情」と認められれば単独で決めることができるとしている。(久保田一道)
親の離婚、子に意見求めるのは「残酷」? 共同親権導入で議論
出典:令和6年5月7日 毎日新聞
離婚後の共同親権導入を盛り込んだ民法改正案を巡り、7日の参院法務委員会で、父母の離婚に直面した子の意思や思いは、どこまで尊重されるべきかが議論になった。弁護士が子の意見を代弁する制度の活用を求める声が上がった一方、父母の対立時に子に意見を求めるのは酷という慎重意見も示された。
改正案は、離婚後の家族法制を大幅に見直し、共同親権を離婚後も認める仕組みを創設した。併せて、父母には子の人格を尊重して子を養育する義務があることも明記した。
改正案の要綱をとりまとめた法制審議会では「子どもの意見表明権」の取り扱いも議論になった。日本が1994年に批准した「子どもの権利条約」は子が自らに関わる事柄に、自由に意見表明できる権利を保障している。こうした点を踏まえ、民法も準拠させるべきかが論点となったが、賛否が割れて見送られた経緯がある。
7日の参院法務委に参考人として出席した、日本弁護士連合会子どもの権利委員会の浜田真樹弁護士(大阪弁護士会)は、親権の行使が子のためになされることを踏まえれば、子が自ら意見を述べる機会を保障する必要があると指摘した。その前提として、父母の離婚によって日々の生活や学校への通学にどのような変化が起きるのか、丁寧な説明が求められるとし、「子どもの手続代理人制度」の利用促進を提案した。
同制度は調停や審判の手続きに子が関わる際に、弁護士が専門的にサポートする仕組みで、2013年に施行された家事事件手続法で導入された。ただ、20~22年の利用状況は年間30~60件台にとどまっており、浜田弁護士は、公費負担がない費用面の課題や、制度の周知不足を挙げ、使いやすい制度に改めるべきだと訴えた。
一方、法制審の部会委員を務めた白鷗大学の水野紀子教授(家族法)は参考人質疑で、父母が離婚する場面で、子の意見表明権を導入することについて「子どもに両親を選ばせることになり、残酷。一番簡単な結論として裁判官が飛びつくことになり、危険だ」と慎重な考えを示した。
改正案によって、子の意見はどのように扱われるのか。小泉龍司法相は国会審議で「改正案にある『子の人格の尊重』は、子の意見や意向が適切な形で考慮されるべきだという趣旨を含んでいる」と説明している。【三上健太郎】
「共同親権」導入を柱 民法などの改正案 参院法務委で審議入り
出典:令和6年4月25日 NHK
「共同親権」導入を柱 民法などの改正案 参院法務委で審議入り
離婚後も父と母双方が子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案は、25日から参議院法務委員会で審議が始まりました。小泉法務大臣は国民への周知や広報に努めるとともに関係省庁と連携して必要な環境整備に取り組む考えを示し、今の国会での成立に向け理解を求めました。
民法などの改正案は、離婚後に父と母のどちらか一方が子どもの親権を持つ、今の「単独親権」に加え、父と母双方に親権を認める「共同親権」を導入するとしています。
そして、父母の協議によって共同親権か単独親権かを決め、合意できない場合は家庭裁判所が判断します。
裁判所がDV=ドメスティック・バイオレンスや、子どもへの虐待があると認めた場合は単独親権となります。
改正案は、共同親権を選択する際に父母双方の真意によるものか確認する措置を検討することなどを付則に盛り込む修正をしたうえで、先週、衆議院を通過し、25日から参議院法務委員会で審議が始まりました。
委員会では、改正案の趣旨説明のあと質疑が行われ、小泉法務大臣は「子の利益を確保するにはDVなどを防止することが重要で改正案は適切に対応する内容となっている。正しく理解されるように十分な周知や広報に努めるとともに関係省庁などと連携して必要な環境整備に取り組んでいく」と述べ、今の国会での成立に向け理解を求めました。
共同親権法案、衆院通過 離婚後養育、民法改正 虐待・DV防止になお懸念
出典:令和6年4月16日 産経新聞
共同親権法案、衆院通過 離婚後養育、民法改正 虐待・DV防止になお懸念
離婚後は父母どちらかの単独親権とする規定を見直し、共同親権を選べるようにする民法改正案が16日、衆院本会議で与党などの賛成多数により可決された。参院に送られる。衆院審議では、父母が親権の在り方を決める際に「真意を確認する措置を検討する」と付則に盛り込むなどの修正がされたが、虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の被害継続防止になお懸念の声がある。参院の審議も注目される。
改正案は、家族関係の多様化に対応し、離婚後も父母双方が養育に関われるようにすることが狙い。父母が協議で親権の在り方を決め、折り合えなければ家裁が判断する。成立すれば令和8年までに施行。既に離婚した父母も、共同親権への変更を申し立てられる。家裁は虐待・DVの恐れがあれば父母どちらかの単独親権と定め、加害者との共同親権は認めないとする。
離婚後の共同親権法案、衆院通過 虐待・DV防止になお懸念
出典:令和6年4月16日 東京新聞
離婚後は父母どちらかの単独親権とする規定を見直し、共同親権を選べるようにする民法改正案が16日、衆院本会議で与党などの賛成多数により可決された。参院に送られる。衆院審議では、父母が親権の在り方を決める際に「真意を確認する措置を検討する」と付則に盛り込むなどの修正がされたが、虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の被害継続防止になお懸念の声がある。参院の審議も注目される。
改正案は、家族関係の多様化に対応し、離婚後も父母双方が養育に関われるようにすることが狙い。父母が協議で親権の在り方を決め、折り合えなければ家裁が判断する。成立すれば2026年までに施行。既に離婚した父母も、共同親権への変更を申し立てられる。
家裁は虐待・DVの恐れがあれば父母どちらかの単独親権と定め、加害者との共同親権は認めないとする。ただ衆院法務委員会の審議では「家裁の体制は不十分で、被害を見逃す恐れがある」と指摘された。密室で証拠が残りにくく、立証が困難との意見も出た。
離婚後共同親権 衆院通過 「子の利益」巡り賛否
出典:令和6年4月17日 毎日新聞
離婚後の共同親権の導入を柱とする民法改正案が16日、衆院本会議で採決され、自民・公明両党と立憲民主党、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決された。
※以下、紙面参照。
「共同親権」導入へ 民法などの改正案 衆院本会議で可決
出典:令和6年4月16日 NHK
離婚後も父と母双方が子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案は一部修正した上で衆議院本会議で自民党や立憲民主党などの賛成多数で可決され参議院に送られました。
民法などの改正案は、離婚後に父と母のどちらか一方が子どもの親権を持つ今の「単独親権」に加え、父と母双方に親権を認める「共同親権」を導入するとしています。
そして父母の協議によって共同親権か単独親権かを決め、合意できない場合は家庭裁判所が親子の関係などを考慮して判断します。
裁判所がDV=ドメスティック・バイオレンスや子どもへの虐待があると認めた場合は単独親権となります。
改正案は衆議院法務委員会で、自民・公明両党と立憲民主党、日本維新の会の4党により、
▼共同親権を選択する際に父母双方の真意によるものか確認する措置を検討することなどを付則に盛り込む修正が行われました。
16日の衆議院本会議では採決に先立ち討論が行われました。
立憲民主党の道下大樹議員は「意見や価値観がわかれる非常に重たい法案で、修正して協議離婚における共同親権に同意した真意を確認する措置を明記できたのは大きな成果だ。改正案が少しでも良くなるように尽力する」と述べました。
共産党の本村伸子議員は「共同親権の導入で虐待から逃れられなくなるなど重大な懸念に応えておらず改正案に反対する。裁判所によって不本意な共同親権が強制され、親や子どもの利益が害される懸念がある」と述べました。
このあと採決が行われ、改正案は自民・公明両党と立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、教育無償化を実現する会などの賛成多数で可決され参議院に送られました。
共産党とれいわ新選組は反対しました。
また自民党の野田・元総務大臣が反対しました。
改正案は今の国会で成立する見通しです。
付則と付帯決議の内容は?
民法などの改正案は、野党側から、離婚する際に、父と母がDVなどを理由に対等な立場で協議できず、共同親権を強制させられる恐れがないか懸念が出たことなどを受けて、自民・公明両党と立憲民主党、日本維新の会の4党による修正協議が行われました。
その結果、衆議院法務委員会で改正案の付則を修正し、
▼共同親権を選択する際に父母双方の真意によるものか確認する措置を検討することや
▼「共同親権」のもとでも一方の親のみで判断できる「急迫の事情」がある場合や「日常の行為」とはどのようなものか政府が周知すること、それに
▼法律の施行後、5年をメドに見直しを検討することなどが盛り込まれました。
また付帯決議もつけられ、
▼「急迫の事情」や「日常の行為」を具体的に示すガイドラインを制定することや
▼家庭裁判所の増員など体制を拡充することなどを求めるとしています。
共同親権法案が衆院通過 「急迫の事情」にガイドライン
出典:令和6年4月16日 日本経済新聞
離婚後の共同親権の導入を柱とする民法などの改正案は16日、衆院本会議で与党などの賛成多数で可決された。今国会で成立し、2026年までに施行される見通しとなった。
与野党の修正協議の結果、衆院法務委員会は12日、子どもと同居するなど一方の親だけで決定できる「急迫の事情」や「日常の行為」について周知するガイドラインを制定するよう、政府に求める付帯決議を採択した。
※以下、記事参照。
共同親権、何が変わる? 民法改正2026年施行へ
出典:令和6年4月16日 日本経済新聞
離婚後の共同親権の導入を柱とする民法などの改正案は16日、衆院本会議で与党などの賛成多数で可決された。参院送付後、今国会で成立し、2026年までに施行される見通しだ。親権をめぐる家族法制の見直しは77年ぶりとなる。改正の概要や課題を3つのポイントでまとめた。
(1)そもそも親権とは? 改正の概要は?
「親権」は未成年の子どもの身の回りの世話や教育、財産を管理する権利・義務の総称で、結婚している夫婦は双方が持つ。民法で定められている。戦前は父親が単独で親権を持っていた。1947年の改正で、離婚後は父母のどちらかが持つようになったが、一方のみの単独親権が続いてきた。
欧米を中心に、離婚後も共同親権を認める国が多い。国内では、離婚した親と子が会う「面会交流」が親権を持つ親の意向で実施されないといった問題も指摘されてきた。面会交流を求める家庭裁判所への調停申し立ては2022年に1万2876件と、20年前に比べて4倍近い。
共同親権が導入されれば、父母が協議して双方が親権者となるか一方のみとするか決められるようになる。意見がまとまらない場合は家裁に申し立てて判断を仰ぐ。
改正法案は父母の責任も明確にした。離婚していても父母は協力し、子どもの人格を尊重して自身と同程度の生活を維持できるように扶養しなければならないと定めている。
養育費も確保しやすくなる。取り決めなしに離婚しても一定額を請求できる「法定養育費」制度を創設する。他の債権より優先して請求できる「先取特権」を付与し一般的に認められる額を確保可能にする。金額は今後決める。
(2)親権者間で意見が対立したら?
共同親権を選ぶと、子どもの人生での重要な選択に関して離婚後も父母が協議して決めることになる。受験や転校、手術、パスポートの取得などにおいて双方の合意が必要になる。意見が対立した場合はその都度、家庭裁判所が親権を行使できる人を判断する。
与野党の修正協議の結果、衆院法務委員会は12日、子どもと同居するなど一方の親だけで決定できる「急迫の事情」や「日常の行為」について周知するガイドラインを制定するよう、政府に求める付帯決議を採択した。
法務省によると「急迫の事情」にはドメスティックバイオレンス(DV)からの避難や、けがによる緊急手術などが該当するという。一方で慢性的な持病への手術は事例ごとに判断すると説明している。
共同親権を選択した父母が遠方など離れて生活している場合、医療行為の実施に双方の同意を得るのが遅くなる可能性がある。
日本産科婦人科学会、日本小児科学会などの4団体は23年9月に「父母の離婚後も子どもに医療が必要なときに両方の親権者の同意を得る必要があれば、生命・身体の保護に必要な医療を実施することが不可能あるいは遅延する」と改正案に懸念を表明した。
虐待やDVの被害者からは親権を理由に加害者が子につきまとう懸念があるとの声があり、野党は虐待などへの配慮を求めた。自民党は共同親権を決める際に父母双方の「真意であることを確認する措置を検討する」と付則に盛り込む修正案を示し、折り合った。法施行後5年をめどに、制度の再検討をすることなども盛り込んだ。
(3)導入後の課題は?
教育費に関しては、共同親権にした場合は父母の所得が合算されて所得制限の対象となるケースがあるため注意が必要だ。高校の学費を実質無償化する就学支援金制度はDVなどで片方に負担を求めることが難しい場合を除き、親権者2人分の収入を合算した金額が所得制限の対象となる。申し込みの手続きにも父母双方の課税証明書などが必要になる。
教育費に詳しい日本大学の末冨芳教授は「離婚したら別家計で所得は低くなるのに、高校無償化が適用されなければ進学できなくなる子どもが出てくる可能性がある」と話す。
DVや虐待があると裁判所が判断した場合は単独親権を認めるが、DVの見極めは困難との見方もある。内閣府の調査で国や都道府県などへのDV相談は年間約17万件あるのに対し、裁判所による接近禁止などの保護命令は年間1000件程度にとどまる。
2人の子どもを持ち離婚を経験したある50代の女性は「夫の精神的DVが原因で離婚したが、一刻も早く離れたかったため家裁には報告しなかった。相手が認めていないDVを争点にすると調停が長期化すると考えた」と振り返る。
法改正を歓迎する声もある。離婚後の両親での「共同養育」を支援する団体、りむすび(東京・渋谷)の柴橋聡子代表は「『離婚した家庭はひとり親』という意識が変わる契機になる」と評価する。父母間で「意見が割れた際の裁判所の明確な評価基準を確立する必要がある」と注文をつける。
(堀越 凜人、杉山恵子)
「共同親権」導入の民法改正案が衆院通過…19日にも参院で審議入り、今国会で成立へ
出典:令和6年4月16日 読売新聞
「共同親権」導入の民法改正案が衆院通過…19日にも参院で審議入り、今国会で成立へ
離婚後の父母双方に親権を認める「共同親権」の導入を柱とする民法などの改正案は16日の衆院本会議で、自民、公明、立憲民主、日本維新の会などの賛成多数で可決された。19日にも参院で審議入りし、今国会で成立する見通しだ。
法案は12日の衆院法務委員会で一部修正され、協議離婚時に父母が共同親権を選ぶ場合、「父母双方の真意」を確認する措置を検討する規定が加えられた。
共同親権法案、衆院本会議で可決 成立すれば公布2年以内に施行
出典:令和6年4月16日 朝日新聞
共同親権法案、衆院本会議で可決 成立すれば公布2年以内に施行
離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」の導入を柱とする民法などの改正案は16日、衆院本会議で賛成多数で可決され、衆院を通過した。成立すれば、公布から2年以内に施行される。
現行の民法では、婚姻中は父母双方が親権を持つが、離婚後はどちらか一方を親権者とする「単独親権」に限られてきた。改正案は、父母が離婚時に合意すれば双方が親権を持つことを可能とする。合意に至らない場合や裁判を経て離婚する場合には、家庭裁判所が共同親権とするか、父母どちらかを親権者とするかを判断する。
離婚後の共同親権を可能とすることで、父母の一方による家庭内暴力(DV)や虐待の被害が離婚後も続きかねないとの懸念がある。このため改正案では、被害のおそれがある場合には家裁が単独親権とすることを明記した。
衆院法務委員会では、自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党の協議を経て、付則を修正。父母の力関係を背景に、一方的に共同親権に合意させられることを防ぐため、協議離婚で共同親権に合意した場合に、「真意」に基づく合意なのか確認する措置を講じることを盛り込んだ。(久保田一道)
離婚後共同親権、衆院法務委で可決 週明けにも衆院通過の見通し
出典:令和6年4月12日 毎日新聞
離婚後共同親権、衆院法務委で可決 週明けにも衆院通過の見通し
婚姻中の父母に認められている共同親権を離婚後も可能とする民法改正案が12日、衆院法務委員会で採決され、賛成多数で可決された。離婚した父母の一方が親権を持つ単独親権のみを規定した現行民法が見直されることになり、離婚後の家族法制は大きく変わる。改正案は週明けにも衆院を通過し、参院に送られる。
改正案は、父母が離婚時に協議して共同親権か単独親権かを選び、折り合わなければ、家裁が「子の利益」の観点から親権者を判断するとした。一方の親による家庭内暴力(DV)や虐待の恐れがあると認められれば、必ず父母のいずれかの単独親権となる。
離婚後の共同親権導入を巡っては、離婚前のDVや虐待が継続しかねないとの懸念が示されており、衆院法務委では、家裁が適切に親権者を判断できるのかどうかが主な争点となった。
密室である家庭内の事情を家裁が把握できるかについて、政府側は、過去にDVや虐待があったことを裏付ける客観的な証拠がないケースでも「さまざまな状況を考慮する」とし、柔軟に対応することになるとの考えを提示。共同親権の行使が困難と認められる父母については必ず単独親権となると述べた。
単独親権となるDVには、身体的DVに加え、怒鳴りつけたり、生活費を渡さなかったりして相手を追い込む精神的・経済的DVも含まれるとした。一方で、父母が感情的に対立していることのみを理由として一律に単独親権とされることはないとも述べた。
役割が増す家裁の体制強化に対する質問も相次ぎ、最高裁は、弁護士から任命し、裁判官と同等の権限を持って家事調停に当たる「家事調停官」の増加を検討すると明らかにした。
一方、自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党は審議と並行して修正協議を行い、改正案の付則を修正することで合意。離婚時の親権者の選択に当たり、力関係の差によって意に反した選択がなされることのないよう、真意に基づいて親権者を定めたかを確認する措置を政府が施行日までに検討すると明記した。
改正案は「急迫の事情がある」「日常の行為」であれば、共同親権でも父母の一方が単独で親権を行使できると定める。共同か単独かの境界が分かりづらいとの意見を踏まえ、具体例をガイドラインで明らかにするよう政府に求める付帯決議も採択された。【三上健太郎】
離婚後の「共同親権」法案、衆院法務委で可決 来週にも衆院通過へ
出典:令和6年4月12日 朝日新聞
離婚後の「共同親権」法案、衆院法務委で可決 来週にも衆院通過へ
離婚後に父母いずれかが親権者になる現行の「単独親権」に加え、双方による「共同親権」を可能とする民法などの改正案をめぐり、自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党が共同提出した修正案が12日、衆院法務委員会で賛成多数で可決された。法案は、来週にも衆院本会議で可決される見通し。
親権は、未成年の子に対し、身の回りの世話や教育をする親の権利や義務。婚姻中の親権を父母双方とし、離婚後はどちらか一方とする規定は1947年の民法改正で設けられた。改正案が成立すれば、離婚後の親権のあり方が77年ぶりに見直されることになる。
改正案は、裁判によらず協議離婚する父母が合意すれば、共同親権を可能とする。父母の意見がまとまらない場合や、裁判離婚では、家庭裁判所が「子の利益」をふまえて単独か、共同かを判断する。
家庭内暴力(DV)や虐待の被害が続くことへの懸念から、改正案では、DVなどの恐れがある場合は、家裁は単独親権にしなければならないと明記した。父母の力関係によって共同親権に一方的に合意させられることへの危惧もある。これに対しては、協議離婚で共同親権に合意した場合は、「真意」に基づく合意なのかを確認する措置を設けると付則に盛り込むことで、4党が修正合意した。
共同親権では、子どもの進学や引っ越しなどは原則として父母で決める。意見が折り合わない場合は、どちらの親が決めるべきかを家裁が判断する。緊急の手術など、裁判所に判断を委ねる余裕のない「急迫の事情」がある場合や、身の回りの「日常の行為」は例外的に一方の親だけで決められる。法務委では、野党議員らから「急迫」や「日常」の概念があいまいで混乱を招く恐れがあるとの指摘があった。修正案や付帯決議では、どんなケースが該当するのかをわかりやすく周知することが盛り込まれた。(久保田一道)
共同親権法案、法務委員会で可決 付則修正、来週にも衆院通過
出典:令和6年4月12日 共同通信
衆院法務委員会は12日、離婚後の共同親権を導入する民法改正案を、与党などの賛成多数で可決した。来週にも衆院を通過し、参院に送られる見通し。自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党の合意に基づき、親権の在り方を決める際、父母の力関係の差で不適切な合意とならないよう「真意を確認する措置を検討する」と付則に加えるなどの修正をした。
改正案は3月14日に衆院で審議入りした。家族関係の多様化に対応し、離婚後の単独親権を義務付ける規定を見直して共同親権を選べるようにする。父母が協議で折り合えない場合は家裁が判断し、DVや虐待の恐れがあれば、どちらかの単独親権と定める。
共同親権法案を委員会可決 来週にも衆院通過へ 「父母の真意確認」付則に追加
出典:令和6年4月12日 東京新聞
共同親権法案を委員会可決 来週にも衆院通過へ 「父母の真意確認」付則に追加
衆院法務委員会は12日、離婚後の共同親権を導入する民法改正案を、与党などの賛成多数で可決した。来週にも衆院を通過し、参院に送られる見通し。自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党の合意に基づき、親権の在り方を決める際、父母の力関係の差で不適切な合意とならないよう「真意を確認する措置を検討する」と付則に加えるなどの修正をした。
改正案は3月14日に衆院で審議入りした。家族関係の多様化に対応し、離婚後の単独親権を義務付ける規定を見直して共同親権を選べるようにする。父母が協議で折り合えない場合は家裁が判断し、ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の恐れがあれば、どちらかの単独親権と定める。
修正は、DVなどを背景に、父母が対等な立場で話し合えない恐れがあるとの懸念を踏まえた。付則には、国が改正内容の周知に取り組むことや、施行5年後にさらなる見直しを検討する規定も盛り込んだ。(共同)
「共同親権」導入を柱とした民法改正案 衆・法務委で可決
出典:令和6年4月12日 TBS
離婚後の子どもの親権を父母の双方に認める「共同親権」の導入を柱とした民法の改正案は、衆議院の法務委員会で与野党の賛成多数で可決されました。
改正案は、離婚後の子どもの親権者は父母のどちらかとする「単独親権」の規定を見直し、父母双方に親権を認める「共同親権」も導入することが柱となっています。
協議で決まらない場合は「単独」か「共同」かを家庭裁判所が判断するなどとしていますが、立憲民主党など野党側はDVや虐待など円満に離婚できなかったケースで、「単独」か「共同」かを適切に選択し行使できるのか、などと懸念を示していました。
与野党は修正協議のうえで、親権を選択する際に「父母の双方の真意」を確認する措置を検討することなどを新たな付則に盛り込むなどの一部修正で合意していました。
民法改正案は16日にも、衆議院・本会議で採決が行われ、与野党の賛成多数で可決され、参議院に送られる予定です。
共同親権法案、衆院法務委で可決 16日にも衆院通過
出典:令和6年4月12日 日本経済新聞
衆院法務委員会は12日、離婚後の共同親権の導入を柱とする民法などの改正案を議論し、与党などの賛成多数で可決した。16日の衆院通過を目指す。
現在の民法では離婚すると父母のどちらか1人だけしか親権者にはなれない。改正案が成立し、共同親権が導入されれば、父母が協議して双方が親権者となるか一方のみとするかを決められるようになる。
共同親権とするか単独親権とするかで父母の意見がまとまらない場合は家庭裁判所に申し立てて判断を仰ぐ。
共同親権を選んだ場合でも「子の利益のための急迫の事情」は父母のどちらかが単独で決められる。同法案を提出した法務省は法案審議の答弁で、けがによる緊急手術などが「急迫の事情」に当てはまるとした一方で、慢性的な持病への手術は緊急性に応じて個別の事例ごとに判断すると説明した。
子の教育などに関する日常的なことも片方の親のみで決定できる。毎日の食事や習い事の選択などが該当する。
共同親権の導入を巡って虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の加害者が親権を理由に子につきまとう懸念が示されていた。3日の法務委員会でも参考人から「DV、虐待が続き、逃げ場がなくなる」との指摘があった。
国会でも野党から虐待などへの配慮を求める声が上がり、与野党で修正協議を繰り返した。立憲民主党は共同親権が原則でないことを明確にすることや父母双方の合意がなければ共同親権を認めないことなどを求めたが、与党は応じなかった。
代わりに自民党は共同親権を決める際に父母双方の「真意であることを確認する措置を検討する」と付則に盛り込む修正案を野党に示した。自民、公明、立民、日本維新の会の4党は11日、法案の一部修正で合意し、衆院法務委での可決にこぎつけた。
改正案が成立すれば離婚後の親権に関する家族法制の改正は77年ぶりとなる。法務省幹部は「改正案は子どものことを一番に考えた。離婚をしたとしても子にとっては父母ともに親であることに変わりはない」と話す。
「共同親権」法案が今国会成立へ…衆院法務委で可決、DV・虐待は単独親権
出典:令和6年4月12日 読売新聞
「共同親権」法案が今国会成立へ…衆院法務委で可決、DV・虐待は単独親権
離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案は、12日の衆院法務委員会で一部修正の上で与野党の賛成多数で可決された。協議離婚する父母が共同親権を選択する際に「父母双方の真意」を確認する措置を検討する規定を付則に加えることなどで与野党が折り合った。修正案は16日にも衆院を通過し、今国会中に成立する見通しだ。
採決では、修正で合意した自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党が賛成し、共産党は反対した。小泉法相は採決に先立つ質疑で「父母が協力して子どもを養育する。子どもの利益を確保する観点から(民法の)規定を見直す意義は大きい」と改めて強調した。
改正案は、離婚後の親権者を父母の一方に限る「単独親権」のみを定めた現行法を見直し、父母が合意した場合は共同親権も選択可能とする内容だ。合意できない場合は家庭裁判所が親権者を判断し、DV(家庭内暴力)や子どもへの虐待など「子の利益を害する」場合は単独親権に決める。
4党の修正協議では、DVなどで父母が対等な立場で協議できず、共同親権の合意を強制される恐れがあるとの立民などの指摘を踏まえ、付則に「親権者の定めが父母双方の真意であることを確認する措置について検討を加える」と明記した。共同親権下でも子どもと同居する親だけで決められる「急迫の事情」がある場合や「日常の行為」の内容について、政府が国民に周知することも求めた。
改正案は今国会で成立すれば2026年度までに施行される見込みだ。付則には、法施行後5年をめどに制度などを再検討することなども盛り込んだ。法務委では、「急迫の事情」などをガイドライン(指針)で明確化することや、家裁が親権を判断するため、裁判官の増員など体制拡充を求める付帯決議も採択した。
共同親権法案、法務委で可決 16日にも衆院通過、付則を修正
出典:令和6年4月12日 時事通信
離婚後の「共同親権」民法など改正の修正案 衆院法務委で可決
出典:令和6年4月12日 NHK
離婚後も父と母、双方が子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案をめぐり、自民党や立憲民主党などは、見直し規定などを盛り込んだ修正案を提出し、衆議院法務委員会で採決が行われた結果、賛成多数で可決されました。
民法などの改正案は、離婚後に父と母のどちらか一方が子どもの親権を持つ今の「単独親権」に加え、父と母、双方に親権を認める「共同親権」を導入することが柱となっています。
自民・公明両党と立憲民主党、日本維新の会の4党は、▽離婚後に「共同親権」を選択した場合、子どもと同居する親だけで決められる行為などを政府が周知することや、▽法律の施行後5年をめどに見直しを検討することなどを付則に盛り込む修正を行うことで合意し、12日の衆議院法務委員会に修正案を提出しました。
そして、採決が行われた結果、修正案は賛成多数で可決されました。
また、夫婦が互いを尊重して子どもを育てることができるよう政府に支援を求めるなどとした付帯決議もあわせて可決されました。
修正案は来週にも本会議で可決され、参議院に送られる見通しです。
「共同親権」めぐる法案が衆院法務委で可決 4党で修正合意も
出典:令和6年4月12日 テレビ朝日
離婚後の「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案が一部修正されたうえで、衆議院の法務委員会で与党などの賛成多数で可決されました。
改正案は離婚後の「単独親権」のみを定める今の法律を見直し、父母が協議して「共同親権」も選択できるようにするものです。
立憲民主党はDV被害なども考慮し、父母双方の合意がない限り共同親権を認めないよう修正案をまとめていました。
自民、公明、立憲、維新の4党が協議した結果、共同親権を選択する際に「父母双方の真意」を確認する措置について今後、検討していくことを附則に盛り込むことで合意し、4党は修正案に賛成しました。
共産党は「法案を出すこと自体が拙速だ」として反対しました。
改正案などは16日の衆議院本会議で可決され、今の国会で成立する見通しです。
「共同親権」審議入り 離婚後も父母ともに子育て 衆院法務委
出典:令和6年3月28日 朝日新聞
離婚後も父母双方の「共同親権」を選べるようにする民法などの改正案が27日、衆院法務委員会で審議入りした。政府は「子の利益」を確保するため、父母がともに責任を持って育てる選択肢と位置づけるが、離婚後も家庭内暴力(DV)や虐待被害が続くと懸念する声も根強い。来週にも法務委で質疑が始まり、議論が本格化する。
※以下、紙面参照。
離婚後の「共同親権」導入、民法改正案を閣議決定
出典:令和6年3月8日 日本経済新聞
政府は8日、離婚後の共同親権の導入を柱とする民法などの改正案を閣議決定した。現在は父母どちらかにしか認めていない離婚後の親権者について、父母の協議により双方かその一方かを決める。子の利益を最優先に、父母の意見が一致しない場合は裁判所が親権者を定める。
今国会に近く改正案を提出する。親権は子を監護し、教育を受けさせたり財産を管理したりする義務と権利を指す。成立すれば離婚後の親権に関する家族法制の改正は77年ぶりと大きな転換となる。
改正案は「子の利益を害すると認められる」場合に、裁判所が単独親権のみを認める規定を設けた。①子へ虐待などの恐れがある②父母間の暴力などの恐れを背景に共同親権の行使が難しい――などと認められる場合に適用する。
共同親権であってもドメスティックバイオレンス(DV)から避難するなど「子の利益のために急迫の事情」がある場合や、子の教育などに関わる日常的なことは単独で決められるとする。
父母の責務も明確に規定した。親権は未成年の子の利益のために行使しないとならないと決めた。婚姻しているかに限らず父母で協力し、子の人格を尊重して自身と同程度の生活を維持できるように扶養しなければならないと記した。
養育費も確保しやすいようにする。取り決めなしに離婚しても一定額を請求できる「法定養育費」制度を創設する。養育費に他の債権よりも優先的に請求できる「先取特権」を付与し、一般的に認められる額を確保できるようにする。
親子の面会交流に関しては裁判所が試行的な実施を促すことが可能になる。子の利益のために特に必要な場合は父母以外の親族との交流の実施を定めることもできる。
共同親権を巡っては離婚後も虐待やDV被害が続く懸念などから導入に慎重な意見もある。
改正法は今国会で成立すれば2026年までに共同親権の導入が始まる見込みだ。施行前に離婚した夫婦も家裁に親権者変更の申し立てすることで、裁判所が子の利益に基づいて共同親権になる事例も出てくるとみられている。
離婚後の「共同親権」導入 運用・支援策を国会で議論へ
出典:令和6年3月8日 日本経済新聞
政府は8日、離婚後の共同親権の導入を柱とする民法などの改正案を閣議決定した。離婚時に父母が協議し共同親権か単独親権かを決め、意見が一致しなければ家庭裁判所が判断する。子の利益を最優先とするための運用や支援のあり方といった課題は今後の国会審議の論点となる。
法制審議会(法相の諮問機関)がおよそ3年にわたり議論した。家族法制の大幅な見直しに踏み切る背景には、少子化や共働きの増加、男女ともに育児を担う考え方の浸透といった社会の変化がある。
現行法は離婚後の親権は父母どちらかにしか認めていない。親権のない親が離婚後、子育てに関与しづらくなるほか、養育費の未払いにつながっているとの指摘があった。
改正案は離婚後の親権者について、父母の協議により双方か一方かを決めると規定する。父母の間で親権のあり方が決まらなくても家裁に申し立てをすることで離婚できるようになる。
「子の利益」を害すると家裁が判断した場合は単独親権とする。①子へ虐待などの恐れがある②父母間の暴力などの恐れを背景に共同親権の行使が難しい――と認められる場合を想定している。
父母の責務も明確にした。父母は婚姻しているかに限らず協力し、子の人格を尊重して自身と同程度の生活を維持できるように扶養しなければならないと明記した。
養育費も確保しやすくする。取り決めなしに離婚しても一定額を請求できる「法定養育費」制度を創設する。養育費に他の債権よりも優先的に請求できる「先取特権」を付与し、一般的に認められる額を確保できるようにする。
厚生労働省の調査によると、母子世帯の中で「現在も養育費を受けている」と答えたのは3割ほどにとどまる。
虐待やドメスティックバイオレンス(DV)被害者らの間には、家裁が適切、迅速に認定できるかどうかに疑問の声があがっている。離婚後に共同親権にすることで加害者側が親権を理由につきまとう恐れについても懸念が出ている。
法制審議会は要綱案のとりまとめに際し、子どもが不利益を受けないように行政や福祉などの充実した支援を求める付帯決議をつけた。
改正案は8日、国会に提出された。国会審議でも役割が大きくなる家裁の体制拡充や判断基準づくり、行政支援のあり方などが議論される見通しだ。
小泉龍司法相は8日の記者会見で「社会的なニーズを踏まえて子どもの利益を中心に組み立てられた法案だ。国会で国民に立法趣旨を理解してもらえるようにしたい」と述べた。
5日の自民、公明両党の政策責任者会議では「法整備は家裁の体制強化が条件だ」との指摘が出た。与党内には法整備にDV被害者らの不安の払拭が欠かせないとの意見がある。
立憲民主党の泉健太代表は8日の記者会見で「人権尊重や子どもの安全など色々な面から慎重な検討が必要だ」と語った。党内議論を踏まえて法案への賛否を決めると説明した。
改正案は共同親権であってもDVからの避難など「子の利益のために急迫の事情」がある場合や、子の教育などに関わる日常の行為は単独で親権行使ができるとする。政府側は国会の答弁などで「急迫の事情」などの具体的な考え方を示す予定だ。
離婚後「共同親権」導入へ改正案が閣議決定 有識者の見方
出典:令和6年3月8日 日本経済新聞
立命館大の二宮周平名誉教授「家庭裁判所の機能充実を」
離婚後の子の養育計画を考えず、親権者だけを決めて離婚届を出す親が多い日本の問題を改善する上で意味がある。子は「父母によって養育される権利を有する」と定めた「国連子どもの権利条約」に沿った対応が定着するきっかけになる。
課題は協議離婚時に親への情報提供の体制が定まっていない点だ。共同親権の意味や親が果たすべき責任、子への対応などを親に伝えることが不可欠だ。韓国は家庭裁判所が実施する講座を受けなければ協議離婚ができない。
親権の協議が成立しない場合、家裁を利用することになる。その際に講座の受講を義務付けるべきだ。さらに家裁調査官が子の気持ちを丁寧に聞き取り、父母に伝え、子の現状を理解してもらうことで合意が形成されやすくなる。家裁の機能充実が求められる。
早大の棚村政行教授「国会で運用や親子への支援策の議論を」
家族や離婚後の親子関係が多様化する現代で親権のあり方を選べるようになったことは評価する。離婚後の共同親権導入は決まったが、運用の方法や親子への支援策が固まらなかったのは残念だ。
法制審議会の部会では法改正の是非の議論に多くの時間が割かれ、改正後の運用などの検討が深まらなかった。国会での審議は導入を前提とし、子の利益のために必要な仕組みづくりに焦点を当ててほしい。
家裁が共同親権か単独親権かを決める基準が明確になっていない。単独親権採用の判断材料となる「子の心身に害悪を及ぼす恐れ」は見方が分かれる。モラルハラスメントをどう認定するかは海外でも大きな課題だ。地方自治体や弁護士などによる支援体制も掘り下げて話し合うべきだ。
離婚後の「共同親権」導入へ 民法改正案を閣議決定
出典:令和6年3月8日 毎日新聞
政府は8日、離婚後の父母双方に親権を認める「共同親権」の導入を盛り込んだ民法改正案を閣議決定した。離婚後は父母の一方の単独親権とする現行規定を見直し、父母が離婚後に共同親権とするか、単独親権とするかを協議し、意見が対立した場合は家裁が判断する。政府は今通常国会に改正案を提出し、成立すれば公布後2年以内に施行される見通し。
法務省によると、離婚した父母間の未成年の子は、1960年に約7万人だったが、2021年には約18万人に増加している。別居親から養育費が支払われなかったり、別居親と子の交流が断たれたりするケースが後を絶たない。離婚後も子の養育に関わりたいと望む別居親も増えており、家族関係の多様化に対応した見直しを求める声が高まっていた。
改正案は、子に対する父母の責務を明確化する。父母が婚姻しているかに関係なく、父母には子の人格を尊重して子を養育し、子の利益のために協力する義務があることを明記した。
その上で、父母は離婚時に共同親権か、単独親権かを協議で定めるとし、協議がまとまらない場合は、家裁が「子の利益」の観点から親権者を判断するとした。一方の親による家庭内暴力(DV)や虐待のおそれがあると認められれば、父母のいずれかの単独親権となる。
養育費の着実な支払いや、別居親と子の早期の交流を促す仕組みも創設する。改正案には、子の最低限度の生活に必要な養育費を請求できる「法定養育費」制度や、調停・審判手続き中に、家裁が試行的に親子交流を促す制度が新たに盛り込まれた。
離婚後の共同親権導入を巡ってはDVや虐待が継続しかねないと懸念する意見もある。国会審議では、チェック機能を担う家裁の体制強化や、親権者を決める際の規定の解釈のあり方のほか、DVや虐待を防ぐ支援策も議論になりそうだ。
小泉龍司法相は8日の閣議後記者会見で「改正案は父母の離婚に直面する子の利益の確保につながる」と述べた。【飯田憲】
離婚後の「共同親権」を導入、民法など改正案を閣議決定 離婚家族の支援策も拡充へ
出典:令和6年3月8日 産経新聞
離婚後の「共同親権」を導入、民法など改正案を閣議決定 離婚家族の支援策も拡充
政府は8日、離婚後も父母双方に親権を認める「共同親権」を原則とする民法などの改正案を閣議決定した。ドメスティックバイオレンス(DV)対策など離婚後の家族に対する支援策も拡充する。成立すれば、離婚後の親権に関する家族法制改正は77年ぶり。令和8年までに施行される。
政府によると、両親が離婚した未成年の子は昭和35年に約7万人だったが、令和3年には約18万人に増加。一方、別居親から養育費が支払われない事例や別居親と子の面会が実現しない事例が後を絶たず、対策を求める声が高まっていた。
改正案では養育を両親の「責務」と定め、親権は子の利益のために行使するものと明記する。
離婚後は父母どちらかの単独親権を義務付けてきた現行規定は改め、父母の同意があれば原則、共同親権を認める。同意がない場合は家庭裁判所に決定を委ね、DVや虐待などの恐れがある場合は単独親権とする。法施行前に離婚した父母にも共同親権を認める。
共同親権の場合でも、DVからの避難など単独で親権を行使できる要件を明確化。親権に関する父母の対立を調整する裁判手続きも新設する。
養育費は他の債権者よりも優先して支払いを受けられる特権を付与し、最低限、支払うべき金額も設定。家裁が早い段階で別居親と子の面会を促せる規定も整備する。
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共同親権
親権は、未成年の子の身の回りの世話・教育といった身上監護や、財産を管理する権利の総称で、義務の性質もあるとされる。現行民法は、婚姻中は父母の共同親権を認める一方、離婚後は父母の一方のみを親権者とする単独親権しか認めていない。離婚後の共同親権は米国や中国、欧州各国などで認められる一方、インドやトルコでは認めていない。
離婚後の「共同親権」導入、民放改正案を閣議決定…「法定養育費制度」創設へ
出典:令和6年3月8日 読売新聞
離婚後の「共同親権」導入、民放改正案を閣議決定…「法定養育費制度」創設へ
政府は8日午前、離婚後の父母双方に親権を認める「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案を閣議決定した。父母が合意した場合に共同親権を選択できるようにするもので、父母の一方が親権を持つ「単独親権」のみを規定した現行民法を見直す。政府は近く法案を衆院に提出し、今国会中の成立を目指す。
民法改正案では離婚後の親権について、父母が話し合いなどで協議が整わない場合は家庭裁判所が共同親権か単独親権かを判断すると規定。いずれかの親からの子への虐待や父母間のDV(家庭内暴力)など「子の利益を害する」場合には、家裁は単独親権に決める。
改正案が成立すれば、公布から2年以内に施行される。施行前に離婚して単独親権となっている場合でも、家裁に申し立て、認められれば共同親権への変更も可能となる。共同親権の場合でも「急迫の事情」があれば単独で親権を行使できるとした。法務省は▽虐待やDVからの避難▽緊急の医療行為▽学校の入学手続き――などを想定している。
監護や教育に関する「日常の行為」についても、同居親が単独で決められる。
改正案では「親の責務」を明確化し、婚姻関係の有無にかかわらず「子どもの利益」の確保を最優先する姿勢を打ち出した。
現在は、離婚後に父母間の取り決めや家裁の調停・審判がないと要求できない養育費について、取り決めがなくても同居親が別居親に最低限の養育費を請求できる「法定養育費制度」を創設する。支払いが滞った場合は他の債権者に優先して財産を差し押さえ、未払いの解消につなげる。
離れて暮らす親が子どもと定期的に会う面会交流の申し立てについても、現在は父母にしか認められていないが、一定の条件で祖父母ら親族にも認める。
離婚後の共同親権、民法改正案を閣議決定 今通常国会に提出へ
出典:令和6年3月8日 朝日新聞
政府は8日、離婚後にも父母双方が親権を持てるようにする「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案を閣議決定した。離婚後は父母のどちらか一方の「単独親権」に限ってきた制度を改め、共同親権も選べるようにする。今国会に提出し、成立をめざす。
改正案は、父母間で協議し、単独親権とするか共同親権とするかを選べるようにした。協議がまとまらない場合は、裁判所が親子や父母の関係などを踏まえて決める。一方の親による虐待や家庭内暴力(DV)のおそれがあるなど「子の利益」を害する場合には単独親権と定めることにした。
改正案には、養育費や別居親側と子の面会交流についても盛り込んだ。
養育費の不払い時、差し押さえをしやすくするため、他の債権に優先して請求できる「特権」を与える。「法定養育費」制度を導入し、父母間の取り決めがなくても、最低限の養育費の請求を可能とする。また、別居や離婚で離れた親子が早期に面会できるように、調停や審判の手続き中、家裁が試行的に交流を促せるようにした。(久保田一道)
離婚後の「共同親権」可能に 民法改正案を閣議決定
出典:令和6年3月8日 時事通信
政府は8日の閣議で、離婚後も父母双方に子の親権を認める「共同親権」を可能にする民法などの改正案を決定した。離婚時に父母が協議して共同親権、単独親権のどちらにするかを決め、折り合わなければ家庭裁判所が判断する。公布から2年以内に施行する。
現行法は離婚後の親権者を父母のどちらか一方に限っている。親権を失った親が子育てに関わりづらく、交流の断絶や養育費未払いにつながっているとの批判がある。改正案は「親の責務」に関する規定を新設し、「父母は婚姻関係の有無にかかわらず、子の利益のため互いに人格を尊重し協力しなければならない」と強調した。
離婚後の親権について父母の合意がない場合、家裁が家族関係などを踏まえて「双方または一方」を親権者とする。DV(家庭内暴力)や虐待などが生じる恐れがあると判断すれば、家裁が単独親権に決める。
離婚後の養育 「共同親権」導入へ 民法など改正案を閣議決定
出典:令和6年3月8日 NHK
離婚後の子どもの養育について、政府は、父と母双方が子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案を、8日の閣議で決定しました。
政府が閣議決定した民法などの改正案は、離婚後に父と母のどちらか一方が子どもの親権を持つ今の「単独親権」に加えて、父と母双方に親権を認める「共同親権」を導入するとしています。
そして父母の協議によって共同親権か単独親権かを決め、合意できない場合は家庭裁判所が親子の関係などを考慮して親権者を定めます。
ただ、裁判所がDV=ドメスティック・バイオレンスや子どもへの虐待があると認めた場合は、単独親権を維持するとしています。
また、養育費について支払いが滞った場合は、優先的に財産の差し押さえができるほか、事前の取り決めをせずに離婚した場合に、一定額を請求できる「法定養育費制度」を設けるとしています。
さらに面会交流について、調停などで争っていても、結論が出る前に家庭裁判所が試しに行うことを促せるようにします。
このあと政府は民法などの改正案を今の国会に提出しました。
【速報】「共同親権」導入へ 民法改正案を閣議決定
出典:令和6年3月8日 TBS
政府は親が離婚したあとの子どもの親権について、父親と母親の双方に親権を認める「共同親権」を導入する民法の改正案をさきほど閣議決定しました。 現在の民法では、離婚後の子どもの親権者は母親か父親どちらか1人にする「単独親権」が定められています。 海外では両方が親権をもつ「共同親権」が認められている国もあり、法務省の法制審議会は、この制度の導入に向けて議論を進めてきました。 きょう閣議決定された改正案では、離婚の際に夫婦で協議の上で「共同親権」か「単独親権」かを決めることができ、協議で決まらない場合は裁判所が親権者を指定するとしています。
一方、子どもへの虐待や家庭内暴力があった場合など、子の利益を害すると認められるときは単独親権を維持するとしています。 親権は決まったあとでも、子どもや親族が求めれば変更できるということです。 共同親権の導入をめぐっては、離婚後も元の夫婦がそれぞれ親権をもつことで子どもに関わり続けることができるとの意見がある一方、DV被害や子どもへの虐待が防げなくなるとして、当事者や弁護士らから否定的な意見も出ています。 また、改正案では養育費の不払いを避けるため、離婚時に取り決めがなくても一定額を請求できる「法定養育費」制度を設けるとしています。 政府は、今国会で成立を目指す方針です。
離婚後の「共同親権」導入へ 民法改正案を閣議決定
出典:令和6年3月8日 テレビ朝日
離婚後も両親が共に子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を盛り込んだ民法などの改正案が閣議決定されました。
8日朝、閣議決定された民法などの改正案では離婚後の子どもの親権について、両親が合意できれば単独親権だけではなく「共同親権」も選択できるようになります。
両親の意見が対立し合意が出来ない場合は、家庭裁判所が両親どちらかの「単独親権」を定めます。
家庭内暴力や虐待など「急迫の事情」があれば、単独での親権行使を認めるとしています。
また、離婚時に取り決めがなくても一定の養育費を請求することができるようになります。
政府は今の通常国会に改正案を提出して成立を目指します。
【主張】離婚後の養育で提言 最優先すべきは子どもの利益
出典:令和6年3月6日 公明新聞
父母が離婚しても、子どもが最善の利益を得られる環境を整えたい。
政府は、離婚後も父母双方に子どもの親権を認める「共同親権」の導入などを盛り込んだ民法等改正案を今国会に提出する方針だ。
現行法では、父母のどちらか一方が親権を持つ「単独親権」に限定されているが、父母が協議して共同親権も選べるようにする。
単独親権以外の選択肢を増やすことは、家族や子育てのあり方などが多様化する中で必要な改革である。そして最優先すべきは子どもの利益にほかならない。
このため公明党は先月29日に改正案を了承した後、離婚後の子どもの養育環境について政府が取り組むべき施策を同日提言した。
提言では、まず、子どもの利益を確保するため、養育環境の決定時に、子ども自らが意見や意向を安心して伝えられる、専門家による聞き取りなどの支援体制が必要だと主張。支援のあり方を議論する関係府省庁の検討会設置も求めた。
離婚後の養育費の確保では、改正案にある、事前の取り決めがなくても一定額を請求できる「法定養育費」制度について、早急な創設と支払い確保への支援策拡充を訴えた。ひとり親世帯の大半が母子世帯、そのうち養育費支払いの取り決めがあるのは約46%、実際に受け取っているのは約28%にとどまる現状の改善に必要だ。
離婚後の親子交流も重要である。提言では、親子交流などを定める共同養育計画のあり方について、子どもの利益の観点から調査研究するよう求めた。
共同親権の選択は、父母の協議で合意できなければ家庭裁判所が判断する。家庭内暴力(DV)や虐待の恐れがあるケースでは家裁が父母どちらか一方の単独親権を決める。この点について提言では、家裁が適切な法的判断をするために必要な、DVや虐待に関する研修などの充実を促している。
親が離婚した未成年の子どもは毎年数十万人に上る。政府は提言の実現に努めてもらいたい。
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